土坑内の全リン(TP)の垂直分布
上部で濃度が高く、下部に向かって拡散していることがわかります。上部でリンの濃度が高い現象は、耕作(施肥)などにより、土壌にリンが付加・拡散した結果と考えられます。一方下部にもリンの濃度が高い部分があり、ここに「亡きがら」が存在した可能性があります。
(この土坑にはゴミ穴の可能性も指摘されています。また、土坑最下部は掘削後埋土によって平らに整形されています。)
図 土坑内でのリンの垂直分布
有機炭素(TOC)と全窒素(TN)の比(C/N)で、人体は8.5付近を示すとされています。確かに底部ではC/Nが9.0より低くなっていますが、底部でPの高い範囲とは必ずしも一致しません。これは、上部からの堆肥成分の拡散と木棺の存在が作用したものと考えられます。
図 土坑内でのC/Nの垂直分布